2016年3月1日放送の「林修の今でしょ!講座」から、冷凍庫学の続きです。
今回は冷凍庫学②、「冷凍してはいけないNG食材」と「調理が楽に」をまとめています。
冷凍してはいけないNG食材
第3位 マグロ
スーパーで売っている、冷凍マグロ。残念ながら、家庭ではマグロは冷凍NGだそうです。
マグロにはミオグロビンという色素があり、時間が経つとこの色素が変色してしまいます。業務用の冷凍庫の場合は-60℃で凍らせるので、ミオグロビンの変化を止めることができますが、家庭用の冷凍庫では難しいとのことです。
家庭用冷凍庫で冷凍すると、黒っぽく変色していきます。ただし、味は劣化していないとのこと。それならばということで、マグロを冷凍するならヅケにしておけばいいそうです。確かに、醤油漬けなら見た目の変化は気にならないですね。
第2位 かまぼこ
かまぼこは、繊維の中に水分があり、凍らせるとその水分が結合してしまうそうです。結果、ゴソゴソ、スカスカの食感になるとか。余っても、冷凍せずに食べてしまいましょう。
第1位 たけのこ
たけのこも、かまぼこと同じような理由ですが、こちらはさらに、たけのこの食物繊維同士が、くっついて固くなるそうです。
凍らせたあと、解凍して食べると、水分だけがジュワーと出て、繊維が固くて噛みきれないという残念な結果に。新鮮なうちに消費してしまうのがいいですが、小さく切ると問題ないそうです。
調理が楽に
最後は、冷凍の特性を活かした「調理が楽に」なる方法の紹介です。
トマトの皮が一瞬で剥ける
やり方は、冷凍トマトを10秒間、水につけた後、手でむくだけ。番組でも実践していましたが、本当に簡単に剥けるようです。
これは、冷凍することによって皮と果肉をつなぐ繊維が弱くなる反面、トマトの皮はとても丈夫なため、皮だけがツルンと剥けるそうです。
ただし、使いみちはトマトソースのような、トマトを潰すレシピにしか使えないようです。
4時間かかる豚の角煮、煮込み時間が80分に
冷凍すると水分が集まって固まるという特性を活かした技ですね。冷凍すると、肉の水分が固まることによって、細胞に隙間ができ、味が染み込みやすくなるそうです。
冷凍の仕方にはちょっとしたコツ。下味をつけてから冷凍。あとは凍ったまま鍋に入れ、煮込むだけでオッケー。かなりの時短になりますね。
あめいろ玉ねぎが5分
最後はあめいろ玉ねぎ。カレーやグラタンなどに使うあめいろ玉ねぎですが、普通は1時間ぐらい、ひたすら炒めなければなりませんよね。なかなかしんどい工程が、5分でできるならこれはスゴイです。
あめいろ玉ねぎをつくるには、玉ねぎの水分をいかに抜くかがポイント。玉ねぎは90%が水分。生の玉ねぎは細胞がしっかりしていて、なかなか水分が出ません。
そこで、凍らせると玉ねぎの細胞が壊れ、調理しやすくなるということです。玉ねぎを冷凍するときは、乾燥しないようにラップしておくとよいそうですよ。
感想
普段、あまり気にしていなかった冷凍保存ですが、冷凍すると食材がどうなるかを考えると、今回でてきた食材以外にも活用できそうですね。
冷凍すると、水分が結合して細胞が壊れる。これをよいほうに持っていけばいいわけです。また、保存のときは乾燥に気をつける。これが大事だと学びました。
今回の講師だった東京海洋大学教授の鈴木徹先生は、食品冷凍学研究室で専門的に食品冷凍技術を研究されているそうです。
近年、さまざまなメディアで、冷凍について語られています。書籍も出されているようですので、今回気になった方は手にとって見てはいかがでしょうか。なかなか面白そうです。
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