2017年3月3日の”その原因、Xにあり!”で、「気象病」について特集されました。
雨になると腰痛になる…
台風が近づくと頭痛がする…
天気の悪い日は古傷が痛む…
天気が悪くなると体調不良になるのは体質というだけではなく、気象病という病名があるそうです。
気象病で悩んでいる人は、全国に約1000万人以上。
今回は、そんな「気象病」が起こる原因と簡単な予防法について学ぶことができました。忘備録としてまとめておきます。
気象病の原因は?
教えてくれるのは、愛知医科大学科学的痛みセンターの医師である佐藤純先生。
天気の崩れが理由で体調不良を起こす「気象病」は、季節の変わり目、特に春先に起こりやすいそうで、実に6割もの人が感じているのだそうです。
気象病によって起こる症状例としては、頭痛、めまい、肩こり、関節痛、神経痛、腰痛、古傷の痛みなど。
近年では異常気象や大型台風の頻発で、今まで気づかなかったのに、突然気象病が発生することもあるそうです。
耳が原因?
佐藤先生によると、気象病には体のある部分が関係しているのだとか。
それは、「耳」
気象病は、耳の中にある内耳という器官が過敏に働いてしまう敏感耳が原因なのだそうです。
内耳が少しの気圧の変化でも必要以上に反応し、その結果、体調不良を起こしてしまうのだとか。
内耳と体調不良の関係
内耳とは鼓膜の先にある渦巻き状の器官のこと。気圧の変化を感知して脳に伝える役割があります。
実は、私たちの体と気圧は密接に関係しているそうです。
気圧とは大気の圧力のことで、普段は感じませんが、私たちの体は気圧の影響を受けています。
例えば、山に登るとお菓子の袋が膨らむことを知っているでしょうか。
高い山に登ると気圧が小さくなり、袋の中から押し返す力が大きくなって膨らむのです。
これと同じことが、私たちの体でも起きており、気圧が下がると体は膨張します。
この気圧の変化を感じているのが、耳にある内耳。
気圧が下がると内耳は脳に変化を伝え、バランスをとるために脳は体を収縮するように指令を出すのだそうです。
どうして痛みがおきる?
気圧が下がると体は膨張してしまうので、脳が体を収縮させます。
その時に、膨張した血管を過剰に収縮させると痛みが起こることがあります。これが気象病による頭痛の原因。
肩こり腰痛が起きるのは、膨張した筋肉を過剰に収縮させる時に起こる痛み。
神経痛や関節痛の場合は、過剰な収縮により痙攣を起こした血管が神経に触れる時に起こる痛みなんだそうです。
また、古傷の痛みは神経痛や関節痛の場合と原因は同じなのだそうですが、痛みは錯覚なんだそうです。痛みを脳の記憶が呼び起こしているのだとか。
気象病の予防法は?
客室乗務員の対処法
気象病の予防法のヒントとして、日頃気圧の低い場所で働いている人の対処法が紹介されました。
気圧の低い場所というのは飛行機の機内。
飛行機に乗ると耳がキーンとしますよね。飛行機の機内は気圧が低い状態で、いわば、気象病を起こしやすい状態なんだそうです。
そんな気圧の低い場所で働く、客室乗務員の気圧対処法は手で耳を覆う「耳当て」
違和感がある方の耳を手で覆うのだそうです。これは客室乗務員の間で代々受け継がれる対処法だそうで、耳を温めることで違和感が和らぐのだそう。
実際に、気象病の人は耳の血行が悪いことが分かっているそうで、耳を暖めることが有効な患者さんも多いそうです。
くるくる耳マッサージ
医師の佐藤純先生が治療の一環で行っている予防法は、「くるくる耳マッサージ」という耳のマッサージ。
①耳を軽くつまみ、上・下・横に5秒ずつ引っ張る
②軽く引っ張りながら、ゆっくり5回まわす
③耳を包むように折り曲げ、5秒間キープ
④耳全体を手で覆い、後ろに向かって5回まわす
このマッサージを朝、昼、晩の3回行います。痛みの出ない程度の力で行いましょう。
番組で検証された方は1週間前後で、普段なら痛みがでる気圧の変化でも、以前より楽になったという感想でした。
痛みが出てしまった時の対処法は?
マッサージはあくまで予防法。
実際に痛みが出てしまったときの対処法として、乗り物酔いの薬が効果的だそうです。
これは乗り物酔いの薬には耳の興奮を抑える成分が入っているため。
【第(2)類医薬品】エスエス製薬 アネロン「ニスキャップ」 6カプセル
まとめ
・気圧の変化に対応した体の反応
・耳のマッサージが予防法
・痛みが出たら乗り物酔いの薬が効果的
雨がふると古傷が痛むということは聞いたことがありましたが、気象病という病名は初耳でした。
今まで体質だと諦めていた人も多そうです。
予防法として紹介されたマッサージは簡単に行えるものですので、悩んでいる人はぜひ試してみてくださいね。