2016年3月1日放送の「林修の今でしょ!講座」から、「間違えると怖い呼吸」のまとめです。
呼吸には、医学的に「良い呼吸」と「悪い呼吸」があるそうです。悪い呼吸ってなんだ?って感じですが、良い呼吸と悪い呼吸では、取り込む酸素の量が20~30%も違うそうです。
そして、取り込む酸素の量が少ないと、様々な体の不調に繋がるとか。これはコワイですね。
悪い呼吸をしてしまっていると…
風邪やインフルエンザにかかりやすくなる。
疲れが抜けにくくなる
ひどい肩こりに悩まされる
痩せにくい体になってしまう林修の今でしょ!講座
呼吸筋を鍛えるストレッチ体操も紹介されていましたので、是非チェックしてみてください。
今回の講師は、呼吸器のスペシャリスト、池袋大谷クリニック院長で医学博士の大谷義夫先生です。なんだか、親しみやすい感じの方ですね。お若いのでしょうか?年齢不詳な感じです(笑)
まずは、無意識にしている呼吸の基本知識を学びます。
呼吸検定
1 1日に何回呼吸しているか
答え 約2万回
1分間15~18回ぐらい呼吸しているそうです。
2 冬は呼吸が浅くなり、酸素の取り込み不足に!その理由は?
答え 猫背
寒い時期は猫背になりがち。その姿勢が肺が圧迫し、酸素の取り込み不足の原因になるそうです。
また猫背は、寒い時だけではなく、長時間の家事、デスクワークが続くときも注意が必要。さらに、スマホに集中しすぎている時も猫背になりがちだとか。たしかに、画面を覗き込むまではいきませんが、前傾姿勢になっているような気がします。
3 肺は鍛えることができる?
答え 鍛えることができない
肺活量が増えたからといって、肺が鍛えられたというわけではないとのこと。細胞の数は約3億個と決まっていて、増やすことはできないのだそうです。
4 良い呼吸をするために重要なのは
答え 横隔膜
肺の周りの筋肉が動くことで、より多く空気を取り込むことができるそうです。肺だけで呼吸しているわけではないんですね。また、肺の機能は20歳をピークに低下しき、酸素を取り込む力がなくなってくるそうです。
ここで、肺年齢を計測する実験がありました。実験の結果、林先生の肺年齢は57歳(実年齢50歳)。林先生は元気そうにみえるんですけどね。バリバリやっている人でも、普段しっかり息を吸えていないようです。これは驚きです。
やってしまいがちな悪い呼吸。「口呼吸」と「浅い呼吸」
つぎは「悪い呼吸」についてです。悪い呼吸とは「口呼吸」と「浅い呼吸」のこと。
口呼吸
口呼吸が何故行けないのか?それは体を守る2つのフィルターの機能が低下するからだそうです。そのフィルターとは「鼻毛」と「せん毛」。
口呼吸は当然、鼻毛のフィルターを通過しないので、菌やウイルスを取り込みやすくなります。これは納得。鼻毛って、抜いたりして処理することしか考えていませんでしたが、大事なものなんですね。
「せん毛」は喉や気管などにある毛のような組織で、これも細菌、ウイルスを防ぐ仕組みです。口呼吸が原因で、せん毛が乾燥し、菌やウイルスをブロックする機能が低下します。
空気を取り込む際には、二重のフィルターがかかっているんですね。実に良く出来ています。しかし、口呼吸が習慣になっていると、フィルターが機能しなくなって、様々な不調の原因になるわけです。
口呼吸の改善方法として「ながら鼻歌」が紹介されていました。なにか仕事しているときに、鼻歌を歌いながらやれば、自然と鼻呼吸になっているということです。外でやるのは難しいですが、家事などをしている時ならできそうです。
浅い呼吸
つづいて、もうひとつの悪い呼吸である「浅い呼吸」。
普段呼吸が浅い人の肺のレントゲン写真が出ていました。それによると、普段呼吸が浅い人は横隔膜の位置が高くなっていました。肺と横隔膜の間の空間が狭くなり、空気を取り込む容量が小さくなっているということみたいです。
正しい呼吸をしている人は、4500ccの空気を取り込めそうです。それに対して、浅い呼吸しかできない人は3500ccしか取り込めません。1リットルもの違いがでるんですね。
体の不調は酸素不足が原因かも?
なぜ、悪い呼吸が様々な体の不調につながるのか。まず、人間の体は、酸素がないと栄養を分解してエネルギーを作り出すことができないからです。悪い呼吸で空気を取り込む量が減ると、エネルギー不足になり、疲れやすくなり、さらに血流も悪くなるそうです。
そして痩せにくくなる。脂肪を分解するには、膵臓からくるリパーゼがないと痩せない。そのリパーゼは、酸素がないと働かないそうです。
酸素って生きている以上、必要なものではあることはもちろん分かっていることですが、こんなにもいろいろと影響しているんですね。あらためて呼吸の大切さが認識できました。
呼吸筋を鍛えるストレッチ
「悪い呼吸」を直し、肺年齢を若返らせるストレッチの紹介です。大変そうに思いましたが、普段使わない筋肉だからこそ、簡単に鍛えられるとのこと。これはやってみるしかありませんね。
やり方
1 両手を頭の後ろで組んで3秒鼻で息を吸う。
肺の周りの筋肉が横方向に伸ばされる
2 口で6秒かけて息を吐き、手を伸ばす
今度は上方向に伸ばされる
10回を1日2セット
このストレッチの効果は、早い人だと1週間で出てくるそうです。実際に、林先生がチャレンジしたところ、2週間のストレッチ実践で「-12歳」も肺年齢が若返っていました。
シチュエーション別呼吸法
様々な悩みを、呼吸を変えることによって改善する方法の紹介です。
眠れない時は「キス呼吸」
なかなか寝付けない時は、「鼻で1~2秒吸って、口をすぼめて4秒吐く」というキス呼吸。息をゆっくり吐くことで、リラックスの神経である副交感神経にスイッチが入り、眠れやすくなるそうです。
体調が悪いかもと感じるときは「蒸しタオル呼吸」
「お湯などで蒸したタオルを30秒程度顔を上に置いて呼吸し、鼻と喉を潤す」。鼻や喉の粘膜が潤い、免疫の活性化が望めるそうです。
緊張しているときは「1・2呼吸」
1・2呼吸とは「1秒間で吸って、2秒間で吐く」。緊張している時は息を吸う量が多く、体は過呼吸気味になっているそうです。意識してゆっくり呼吸することで、普段の状態の呼吸に戻すことができます。
また、息をゆっくり吐くことでアセチルコリンという物質が分泌され、脈拍が落ち着き、緊張がほぐれる効果が期待できるそうですよ。
睡眠時無呼吸症候群
最後に、睡眠時無呼吸症候群の注意すべきポイントと改善方法です。
睡眠時無呼吸症候群になっていると、無呼吸状態が1分間~2分間続く場合があるそうです。さらに、止まったあと、再び勢い良く呼吸するので、血圧が180ぐらいまで上がるそうです。
そのため、突然死、狭心症、心筋梗塞、脳卒中のリスクが2~4倍もあがってしまうとか。さらには、脳に酸素がいかないので、認知症にも関係しているとの研究もあるそうです。
自分でできる予防法としては、低い枕を使ったり、横向きで寝たりして、気道を確保することが重要だそうです。それでも、イビキがひどい場合は医者に相談をしてくださいとのことです。
感想
呼吸の大切さ、酸素の働きを再確認することができました。何気ない姿勢や口での呼吸によって、体調に大きな影響が出ているんですね。
ストレッチも簡単なので、習慣にしてみようと思います。